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●おことわり
非常用照明器具には、非常時に内蔵する蓄電池により点灯する“電池内蔵形”と器具外の非常用電源により点灯する“電源別置形”の二種類があります。
また、それぞれ、一般照明としても使用できるほか、非常時には蓄電池または非常用電源により点灯する“併用形”と、非常時のみに蓄電池または非常用電源により点灯する“専用形”があります。
電池内蔵形非常用照明器具(小形ミニハロゲン非常灯:専用形)の特長
. 器具内に組み込まれた蓄電池(密閉形ニッケルカドミウム)を使用。
. 非常点灯の点検が行いやすいように点検スイッチがついている。
. 蓄電池が充電されているのが確認できる充電モニターがついている。
. 電池が放電しても通電後に自動的に充電する。
小形ミニハロゲン非常灯
構造図
非常用照明器具の配置
非常用照明器具の設置を義務付けられている場所は、「非常用照明器具の設置基準」でみられるように、主に不特定多数の人が利用する建築物や、大規模な建築物、無窓の居室を有する建築物の居室・避難通路等になります。
その必要照度と設置間隔は、30分間非常点灯後、床面の水平面照度が白熱電球1lx、蛍光灯で2lx以上となるように設置します。
器具ごとの配置表の設置間隔は、各天井高さ(器具取付け高さ)に対して床面1lx(蛍光灯2lx)が得られる最大範囲及び器具最大取付け間隔を、単体配置、直線配置、四角配置で示しています。なお、設置間隔のデータは、下表のように保守率と光束換算係数を見込んで算出しています
器具の種類非常用光源の種類電源方式設計値設計照度保守率光束換算係数初期照度露出形蛍光ランプ白熱電球電源内蔵電源別置2lx1lx0.70.881.00.72.8lx1.7lx下面開放形蛍光ランプ白熱電球電源内蔵電源内蔵電源別置2lx1lx0.70.791.01.00.72.8lx1.3lx1.8lx簡易密閉形
(下面カバー付)蛍光ランプ白熱電球電源内蔵電源内蔵電源別置2lx1lx0.660.741.01.00.73.0lx1.4lx2.3lx
ここでは小形ミニハロゲン非常灯(専用形)を例に、単体配置、直線配置、四角配置についてご説明します。
小形ミニハロゲン非常灯(専用形)
使用器具・・・ハロゲン13W非常灯(電池内蔵)
器具取付高さ・・・2.6m
単体配置
各天井高(器具取り付けの高さ)に対して、1 lxが得られる範囲をA1(半径)で表しています。
直線配置
各天井高(器具取り付け高さ)に対して、幅2mの廊下の壁際の合成照度が1lx以上になるための最大取付け間隔をA2で示しています。
四角配置
各天井高(器具取り付け高さ)に対して、照明器具の対角線の交点の合成照度が1lx以上になるための最大取付け間隔をA4で示しています。
非常用照明器具の配置設置間隔表は、条件が限られた取付け間隔が記載されているため、建築形状によっては設計時に不便を感じることがあります。
そこで、ここでは設置間隔の表を用いた方法ではなく、配光データシートに記載されている器具直下から各方向への指定照度が得られる範囲表を用いた方法を紹介します。
設計条件
使用器具・・・ハロゲン13W非常灯(電池内蔵)
IEM-13221HN
器具取付高さ・・・2.6m
設計手順
、まずは部屋の四隅を配置します。(1.0lxの半径=4.6m)
1−1)IEM-13221HNの表1の「器具直下から各方向への指定照度が得られる距離」を見ると、取付高さ2.6mの1lxが得られる半径は、4.6mになります。
1−2)平面図上の4隅に4.6mの半径でまかなえる位置を検討し、非常灯の位置を決定します。(緩和部分を考慮しても可)
、その次に壁沿いを配置します。(0.5lxの半径=5.2m)
2−1)表1より取付高さ2.6mの0.5lx得られる半径である5.2mを読み取ります。
2−2)平面図上の壁沿いに、合成照度が1lx以上得られるように、半径5.2mの円で検討し、位置を決定します。
、最後に中央部を配置します。(0.25lxの半径=5.8m)
3−1)表1より取付高さ2.6mの0.25lx得られる半径、5.8mを読み取ります。
3−2)部屋中央部の合成照度が1lx以上得られるように、半径5.8mの円で検討し、位置を決定します。
関連法規
1)建築基準法 第68条の10及び11(型式適合認定ほか)
2)施工令 第136条の2の9(型式適合認定の対象とする建築物の部分および一連の規定)
第126条の4及び5(非常用の照明装置の設置、構造)
3)告示 昭和45年建設省告示第1830号(改正平成12年5月30日告示第1405号
非常用の照明装置の構造等を定める件)
☆参考図書
消防設備アタック講座(上)新世紀2訂版
誘導灯及び誘導標識に関する指針改訂3版
絵とき消防設備のしくみ
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